今日は、比較的斜陽産業と言われていた中、成長を続ける高速バス会社、
ウィラー・トラベル(大阪市)の社長、村瀬茂高氏へのインタビュー記事。
一昨年の尾道や神戸への移動に一部夜行バスを取り入れたのは、このウィラー・トラベルという会社の研究も含めてのこと。時代や顧客の懐具合を見据え、かゆい所に手が届くサービスをし続けてきたのがこの会社の一貫した戦略と姿勢だ。社長いわく、人の移動は時間と価格で左右されると考えている。確かに新幹線はバスに比べると格段に速い。でも、東京から大阪出張の場合、行きは飛行機で、帰りは取引先や同僚らとお酒を飲んで夜の11時台のバスで東京に向かうことだって可能。そこには新しい需要が生まれるはず、と。ガソリンが高騰したときはマスコミからも大変でしょうと言われたが、むしろマイカー族のほうがしんどかったので、お客さんは増えた、と、そう言ってのけるところがすごい。
価格を変えなかった6年間はただただ接遇・サービスの向上をしていた。まずは古いバスから新車への切り替えに始まり、ネットを活用した簡単な予約の仕組み作り。座席を3列にした幅広シート、電動リクライニングシート、各座席に液晶テレビを備えたりと価格に応じたサービスを次々に実施。
1000円高速の影響などで青息吐息となっているバス会社が多い中、ウィラー・トラベルは右肩上がりで業績を伸ばし続け、06年12月期に20数億円だった売上高は09年12月期約63億円と急伸。バスにはもともと「疲れる」、「遅い」というイメージしかなかった。短い距離を移動するにはよいとしても、長時間バスに揺られ続けるなど、とても耐えられない・・・
ウィラー・トラベルは、このようなバスに対する先入観を払拭し、極めて快適な旅を提供している。利用者が毎年30万人ずつ増えているのが市場に認められている証。
例えば座席は、最上級バス「エグゼクティブ」だと2列のみでゆったり。しかも、人間が眠る姿勢を追及したという「ゆりかご式リクライニングシート」を搭載し、傾き等の調整は電動のため指一本で可能。カーテンを仕切ればプライベート空間となり、ネット、テレビ、DVDも楽しめるとのこと。男性と同じ空間で寝るのが気になる女性には、女性専用車もある。
確かに移動における価格の重要度はスピードや時間なのかもしれないが、その空間を楽しむことを考えれば、別に早かったり時間をかけないことだけがいいわけではない。むしろ、仕事ができる環境だったり、ゆっくり休める環境であれば、逆に活用されるべき時間の使い方になるのだから。次々に新しいサービスを生み出し、投入することで、この不況をものともせず伸び続けているウィラー・トラベル。見事としか言いようがない。